「Quora(クオーラ)」は、Facebookの元CTOアダム・ディアンジェロさんが創業した実名制のQ&Aサービス。コンテンツクオリティの高さに重きを置いており、オバマ元米大統領や、Facebook COOのシェリル・サンンドバーグさんをはじめ、多くのエキスパートが利用しているそうです。2017年11月現在では、月間ユニークビジターが2億人を上回り、2017年4月には評価額18億ドルとなりユニコーン入りを果たしました。そして2017年9月末、Quoraは日本語β版をリリース。11月13日、500 Startups Japan主催のイベントにQuoraのCEOであるアダム・ディアンジェロが登壇するとのことで参加してきました。そこでのQ&AとQuoraの感想をまとめました。
来場客から挙がった質問にQuoraのCEOが直接回答!
イベントでは、Sil.doというリアルタイムに質問をどんどん投稿できるツールで来場者から質問を集めていました。私のメモに残っていた10つのQ&Aを紹介します。(ちなみに回答順ではありません。イベントは全て英語だったため訳は私なりにしています)
Q1. なぜFacebookをやめてこのサービスを始めたの?
A. Facebookはとても良かったのですが、2009年に創業した際にQuoraのようなコミュニティが存在しなかったので立ち上げたらFacebookより大きなインパクトを与えられると思ったからです。
Q2. どうやってクオリティの担保をしているの?
A. 実名での投稿することにより、自分の発言として評価されるため質の良い回答が集まります。また、パーソナライズ、他エキスパートからの投票システムなど、他100以上のクオリティを担保する機能があります。Yahoo! Answerは、悪いクオリティでも多くの人が使っています。大きくなればなるほどクオリティは低くなると思います。KPIはいつもアクティブユーザー数である必要はないのです。
Q3. どういうインセンティブでその道の専門家が回答してくれてるの?
A. ユーザーは質問に答えたいというモチベーションがあります。実名で答えているのでいい回答ができると、その本人の評価にもつながります。いい回答ができると採用につながったりもします。ユーザーは偽名を使いたがりません。そこが効いているのではないでしょうか。(金銭的だったり、その他のメリットがあるような話はありませんでした)
Q4. どうやって対応する言語のプライオリティを決めたの?
A. すべての言語を対応したいのですが、どこの言語を対応するかは大きな判断になります。ヨーロッパの言語のほうが簡単だったので、まずはそちらを優先しました。(※現在は、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語でも展開)
Q5. なぜアジア初の展開は日本だったの?
A. アナリシスをした時に挙がってきたのが日本でした。日本はとても大きなマーケットだということがわかりました。なぜ中国ではないかというと、これまで多くのアメリカ企業が中国でビジネスを始めようとしてもいつもトラブルになったり、うまくいっていません。政治的な影響なのかわかりませんが、そのパターンは本当です。なので中国でスタートさせることは、より大変だと思いました。
Q6. 日本のビジネスはどうやって展開するつもり?
A. β版は既にローンチしています。カントリーマネージャーも既にいます。まずは、そんなに大きなグループでなくても良いので、価値ある知識を持つ人に使ってもらいたいです。日英のバイリンガルの人に使ってもらえると助かります。今後、オンラインで、新聞などのオフラインで、そして口コミなどで広めたいです。
Q7. マネタイズはどうやっているの?
A. 英語では、ある会社の商品についての質問に対し、ターゲティングアドが出せるようになっています。この広告は、Quoraローンチから6年かかりました。日本での広告展開もあと数年かかるかもしれませんね。
Q8. Twitterでも質問のやり取りがあるが、どう思う?
A. Twitterは、ニュースなど今起きていることを話すのにいいと思います。Quoraはもっとロングタームの質問に向いていると思っています。
Q9. 回答をみるにもサインアップが必要だが、なぜ最初から見せないの?
A. それは、クオリティを気にしているからです。サインアップして貰えばパーソナライズもできるし、よりよい回答が見せられるかもしれないからです。
Q10. 今は、Google、Amazon、Facebookなど大きなプラットフォームを持つ企業があるけど、昔と比べて起業って難しいと思う?
A. 昔より難しいと思います。2009年は、ウェブプログラムだけでよかったのですが、今はスマホアプリがあったり、機械学習をしなければいけなくなっており、ハードルは高くなっています。しかし、昔より資金調達の環境が整っていたり、AWSがとても良くなったりしているので、ポジティブに思っています。
Quoraの日本語β版を使ってみた
まだしっかり使えていませんが、少しだけレビューをさせてください。質問内容をみると、Yahoo!知恵袋にありそうな「東京で一番美味しいラーメン屋さんはどこですか?」という質問もあります。現在の回答数は12件、どれもユーザーが本当に美味しいと思うラーメン屋さんを挙げているようで、どれも調べてみたくなります。この感じは知恵袋というより、昔懐かしのmixiのコミュニケーションに似た雰囲気があります。「ラーメン好きのコミュニティ」で、こんな回答はされていたのではないでしょうか。もちろんmixiは実名制ではありませんし、Quoraでは「あの人が言っている」という視点が入るため同じだとは思いませんが、どこか似ている感じがしました。
日本でのサービス提供は始まったばかりなので、新しいもの好き、シリコンバレー好き、テクノロジー好きであるユーザーが多そうです。そして私の興味ともマッチするため、本当に興味のわく質問も多く、読んでいるとあっという間に時間が過ぎます。そして、なぜだか無駄に時間を使った感じがしません。
サイトの使用感はとてもスムーズです。回答をしてみましたが、とっても簡単に回答もできました! ただ、質問をクリックすると新規タブが開くのはちょっと嫌だなぁ・・・と思っています。気づいたらどんどんタブが開いていてあれ?と思いました。新規タブを開きたい場合、自分でできるのでそこまではいらないです。
若干迷っていることは、プロフィールをどれだけ書こうか・・・というところ。日本人的な考え方かもしれませんが、所属や担当業務が名前のすぐ上にあることで、個人の意見だったとしても、会社としての意見として捉えられかねないこと。そして、日本の会社は、会社として捉えられる発言を嫌がるのではないかなぁと思います。すると会社員は名乗りにくいのかもしれないですね。現在の登録者をみてみると、意外に所属を書いている人は多かったです。まだ限られた層にしか届いていないからのようになっているように思えます。少しずつ広まってゆくと思うので、もう少し様子をみてみたいですね。
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そして、私は今日もQuoraで暇つぶしします