ECサイトで似合わない服を買ってしまうのは誰の責任なのか?

ECサイトで洋服や靴を買ったことはありますか? 私は、靴を買うことはよくあるのですが、洋服を買うことはほぼありませんでした。しかし、ECを利用する機会が少しずつ増えており、今後も増えるのではないかと思っています。EC利用者が増えるにつれ、販売側に要求されることも多くなると思います。この一連から、未来のECまでの考えをまとめてみました。

これまでのアパレルEC体験では ”ガッカリ” が多かった

これまで洋服を購入していたサイトは、好きなブランドの公式サイトが主。ZOZOTOWNのようなブランドを集めているサイトでも購入したこともあります。しかし、多くが似合わなかったり、サイズが合わなかったり、返品にお金がかかったり。また、ブランドのオフィシャルサイトで購入したにもかかわらず、シワシワの商品が送られてくることも何度かありました

ECサイトで購入しなくても、ECサイトは見ています。気に入った商品を買い物かごにポチポチ入れまでもします。しかし、実際に購入することはせず、やめてしまうことが多いです。とても気になった商品があれば、何かのついでに実店舗に行き「この商品を着てみたいのですが・・・」とサイトを見せることもあります。ブランド公式サイトなら、ネットでお客さんを捕まえて、実店舗で買ってくれたら良いでしょうが、ZOZOTOWNのように自社で服を作っていない会社だと機会損失になってしまいます。

洋服の場合、好きなブランドでもサイズの振れ幅が大きいです。デザインや素材で見た目やフィット感が異なり、着てみないとわからないことが多く、オンラインだけだと、いい体験が全くできていません

ZOZOTOWNの「おまかせ定期便」ではじめての良体験

ZOZOTOWNが「おまかせ定期便」を発表したのは、今年2月。おまかせ定期便は、気に入らなければ無料で返品ができるので、あまり期待はせず気軽に申し込みました。結果、箱を開けるときのワクワク感は大きく、良い商品も送られてきたので、人に勧めるほど気に入っています

一回目の体験 ⇒ すべて返品

合計5点(トップス、ボトムス、ジャケット、バッグ、靴が各1点ずつ)が送られてきましたが、すべて返品

二回目の体験 ⇒ 半分購入

合計6点(トップス3点、ボトムス2点、靴1点)が送られてきて、3点購入

良かったこと

  • 箱を開けるとき「に何が入っているのかなぁ?」とワクワクする!(1回目全部返品したにもかかわらず、止めなかったのはこのワクワクがあったから。そのくらい大きな要素!)
  • 返品が無料で楽!QR コードからサイトに行き返品手続き、そのまま集荷依頼まで出来る
  • 普段手に取らない商品が入っていて、着てみたら良かったので購入に至った
  • 売れ残り商品ばかりではなく、人気の商品も送られてくる(商品のページを見てみたら、たくさん「♡」がついており、売り切れになっているものもあった)
  • ゆっくり試着が出来る
  • 自分の持っている洋服とマッチするのかを実際に着て試せる(これは実店舗ではできません!)

改善できること

  • 欲しい商品をリクエストしたい
    (ほしいと思っているアイテムはいつもあるので、おまかせ定期便でいい感じの商品を送ってくれたら購買につながる可能性が高そう。フィードバックコメントに「ワンピースがほしい」と勝手にリクエストしてみた。さてどうなるか!)
  • いらない商品を選べるようにしてほしい
    (靴、カバンなど今後も買わなさそうなので、いらない。そして服を増やしてほしい。こちらも「靴はいらない」と勝手にフィードバック)
  • 好きなブランドの商品を入れてほしい
  • 毎回フィードバックが出来るのだが、それが加味されているのかを知りたい。しているなら「チェック済み」でもいいので何かレスポンスが欲しい。(されていないならフィードバックしません)

わかったこと(ニュートラル)

  • パーソナライズ感は今の所まったくせず、着回しができそうなベーシックなものが送られてくる(すでに持っており返品の率は高い)
  • 1点だけデザインの好き嫌いの振れ幅が大きそうなものが入っている
  • 設定の年齢を変えると同じジャンルでもおすすめされる商品が異なる

airClosetという月額6800円で3着の服(スタイリストがコーディネートした商品)をレンタルできるサービスもありますが、未体験です。理由は、いらない服が届いてもお金を支払わなければいけないこと、値段設定からも安そうな服が届きそうなので申し込んでいません。安く、そんなに変な服を着たくな人には、プロのチェックが入っているので良いサービスかと思います。

ZOZOTOWNの良体験後、私がとった行動でまた “ガッカリ”に遭遇

好きなブランドをたくさん登録し始めた

おまかせ定期便の登録時に好きなブランドを記載しているのですが、通常のサービスで好きなブランド登録をしていませんでした。おまかせ定期便や通常のサービスでも、より好みの商品にヒットしてほしいので、登録をしました。

すると、それらのブランドに新商品が入荷されるとメールが届くようになりました。そして、好きなブランドの商品なのでついつい見てしまいます。色んなメーリスが届くアカウントなのですが、ZOZOTOWNからの新着商品メールの開封率が他よりも高いのです。「好きなブランド」でのスティッキネス効果はすごいですね。

▼実際のメールボックス(ヤラセでなくZOZOTOWNの開封率が高い。夏服がほしいと思っていたからかな)

ZOZOTOWNで普通にお買い物

おまかせ定期便でZOZOTOWNをいろいろ見ていて、「いいなぁ」と思うワンピースがあったので購入に至りました。

しかし問題はここから。届いた商品のサイズが大きく、サイズ交換をしようと思っても交換ができませんでした。そのため、一度返品して、再度購入というルートになりました。さらに、返品はZOZOTOWNの大きな箱に入れて返さなければならず、元払いで1400円程かかりました。そして、2回目に届いた商品がまだ大きいという惨事になりました。「返品したくても、また1400円支払わなければいけない」と思っていたら、購入した商品がちょうどセール対象になっており、今回返品したほうが安くなることが判明しました。結果として安くなったものの、購入までの全送料が3400円もかかってしまいました。※3回の配送で600円(2003回)+返品で2800円(14002回)

せっかくZOZOTOWNに好感を抱いたのに、悪体験になってしまいました。(後ほど更に言及)

フィットしない・似合わない商品を買ってしまうのは、誰の責任なの?

経産省の市場規模を見ても、ZOZOTOWNの商品取扱高を見ても右肩上がりで景気の良さそうなEC。ZOZOTOWNのユーザー数も、もちろん増えています。

▼日本のBtoC-EC市場規模の推移(経産省)

出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模が16.5兆円に成長。国内CtoC-EC市場も拡大~

出典:株式会社スタートトゥデイ20183月期 決算説明会資料

ECの取引が少なかった時は、いい体験よりも購入できる環境を整えることが先だと思います。ブランドを増やしたり、品数を増やしたり、クレジット決済の環境を整えたりなどでしょうか。しかし、ユーザーや取引が増えている今、より “いい体験” が追求されてゆくのではないでしょうか? 商品に対し同じ料金を支払うのなら、ECであっても、店舗での買い物より体験の質が劣ってはいけない時代が来ていると思います。

フィットしない・似合わない服を選んでしまうことは、実店舗でもあります。しかし、試着することで、店員さんと話すことで、サイズ感が違うこと、違う色がいいこと、買わないほうが良いことがわかります。ECは着る前に購入のプロセスがあり、ほとんどの場合、返品したい際はユーザーが送料を支払わなければいけません。それが許されるのは、似合うか、フィットするか判断できる情報を販売側がユーザーに提供している場合だと思います。

ZOZOTOWNで2回返品した時の話

上記にも書いた実体験から、問題提起をします。

私の購入した商品は、こちらのワンピースです。サイズはXS(Sサイズ相当)、S(Mサイズ相当)、M(Lサイズ相当)の3展開。トップスがボタンアップになっている洋服は、ワンサイズ上げて買うので、Lサイズ相当と記載のあるMを購入しました。すると「かなり大きい」と驚きました。通常のMサイズ相当の商品を注文しても、まだまだ大きかったです。普段、トップスでSサイズを着ることはありませんが、Sサイズ相当の商品を着てみたところ、まだ少し大きかったです。特に大きかったのは、袖ぐり(脇周りのこと)のアキでした。

私が与えられた情報を見てみましょう。素材は、コットン、ビスコース、ポリウレタン。(ビスコースってなんだろう?)

サイズは、総丈と身幅しかありません。私が気になっていた袖ぐりのサイズはありません。これでは、買う前に気づけませんね。

この服を購入後になりましたが、ZOZOSUITで測定を行いました。その後、私のサイズにフィットするものが提案されるのですが、提案されたものは、S(Mサイズ相当)、M(Lサイズ相当)でした。うん。。。。また、サイズ情報の部分に「※ZOZOTOWN独自の方法により採寸しております。」との記載があり、ZOZOTOWNが採寸しているとわかります。

このワンピースを作ったブランドの公式オンラインショップを見るとサイズがもっと詳しく記載されていました。しかし、袖ぐり問題は解決しません。

フィットするかどうかの情報が足りなかった上で返品に至っています。こういうケースでは、交換や返品の責任を販売元が負うようにならなければいけないのではないでしょうか?

今後、どうなったら良いのか

ZOZOTOWNは、ZOZOSUITを開発し「もうサイズ選びで 悩むことが無くなります。」と宣言をしています。ZOZOSUITの測定情報から、デニムパンツやTシャツ、スーツをオーダーメイドができるようになりました。私はオーダーしていませんが、デニムパンツを購入した人は、本当にピッタリの商品が届いたと聞いています。ZOZOSUITを着た際「こんなに細かく測定できてすごい!」と思いました。

現状、オーダーでない洋服ばかりですし、今後も各ブランドの洋服がすべてオーダーメイドになるか?というと会社ごとの工場のシステムを変えなければならなく、非常に難しいでしょう。既製品の場合は、商品のサイズも細かく取ることでサイズ選びに悩まなくなることは可能です。しかし、「身丈」「袖丈」「肩幅」と言う数字だけがあっても、フィットするかどうかをイメージできるユーザーは少ないと思います。 同じ寸法の服でも、素材が綿と麻ではフィット感が異なります。そのため、数字以外でフィットするのかを見せることが必要となります。

将来的には、商品の素材の伸縮性の割合を割り出し、タックや切り返しなどデザインのある位置と幅から、身体にどのように沿うのか計算出来るようになると素晴らしいです。ZOZOSUITで測定したデータから3Dになった自分の分身をアプリ内に持ち、その3Dの自分に洋服を着せる状態を再現するのです。その姿を見ることで「フィットするか」「似合うか」ということを見極められます。 もしかしたら自分自身をメタ的に見ることができるので、より似合うかどうかを冷静に判断できるかも知れませんね。

靴についても最近、Flicfitという会社を見つけました。足を3Dで計測し、足にFitする靴をリコメンドするサービスを提供しています。計測は、機械があるところに行かなければいけないのですが、正確なデータが取れたらオンラインでも大活躍するはずです。(個人へのサービス提供はまだのようです)

その域まで達するようなら、プレミアム会員のような制度を作り、そのサービス提供を会員限定にしても良いかも知れません。もちろん、毎月支払いがあっても構いません。というか、定額にしないとZOZOTOWNが危ないと思います。その理由は、ZOZOTOWNで試着しても、別のサイトで買うという行為になる可能性があるからです。何度もワンピース返品した後、ほしい靴をたまたまZOZOTOWNで見つけました。いつも買わないブランドでしたし、足に合うのかがわからない私は、返品無料のAmazonで購入してしまいました。そう考えると、今からでもプレミアム会員の制度を作り、返品無料のサービスは提供したほうが良いかも知れないですね。

最後に

今回、ZOZOTOWNについて多く言及しましたが、日本の洋服のECについてはダントツに優れていると思います。返品無料とリコメンドのAmazonでさえ、ストアが多すぎて「これ欲しい!」と思える商品を見つけにくい状態です。オンライン洋服購入体験で、ZOZOTOWNの「おまかせ定期便」がはじめての良い体験でした。

届いたときのワクワク感はまた買おうというモチベーションに繋がります。通常自分では選ばない商品も入っており、実店舗の店員さんが「こんなのも似合うと思いますよ」と別視点の商品を持ってきてくれるような体験と類似するのではないかと思っています。面白いことに「似合わないかも・・・」と思っても、送られてきたら一度は着てみてしまいます。なぜなら、次に試着の人が待っているわけでもなく、不格好な姿を誰かに見られるわけもありません。どこかに「もしかしたら気にいるかも!」という期待もあります。着た結果、やっぱり似合わないね。となることもありますが、「あれ?以外に良いかも!」という体験ができました。その商品は、すでにたくさん着倒しています。

米Amazonは、6月22日にプライム会員向けに新サービス「Prime Wardrobe」の提供を開始しました。気になる商品を注文し7日以内に購入するか返送するか決められるサービスです。私が先に問題提起している、「着る前に買う」というEC特有の行為が覆されるかもしれませんね。(3D模擬試着よりコチラのほうがすぐできて楽ですね)日本で展開されるかは未定ですが、日本のAmazonではもっといい商品が必要ですし、もっと見つけやすくしてほしいです。

ECの発展が、EC自体のあり方をどんどん変えてゆくでしょう。早く「実店舗で買うよりいい体験ができていいよね」となることを期待しています。

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