離島のインターネット事情(八丈島、小豆島、青ヶ島)

今使っているWebサービス、国内ならどこでも便利に使えると思いますか?「八丈島」「小豆島」「青ヶ島」のネット事情を取材してきました。(「青ヶ島」は非常に特異だったのでおまけにします)

「八丈島」の基本情報

東京から約290キロ南にある伊豆諸島の島の一つ。島の面積は約70㎢で、山手線の内側とほぼ同じ。車で島を一周するのに1時間半程度かかる。島へのアクセスは、船か飛行機。海が荒れることが多く、船はよく欠航する。人口は8,000人。年代別人口を見ると20~24才が減っているが大学進学のために島を出る若者が多いため、旅行客以外の若者は見かけない。(短期リゾートバイトの子もたまにいるようです)フランチャイズのコンビニ、ファーストフード店はない。お店が3時、4時に閉店してしまうことも珍しくない。

「小豆島」の基本情報

香川県の瀬戸内にある「小豆島」。島の面積は約153㎢。車で島を一周するのに3時間程度かかる。瀬戸内海にあるため、海は比較的穏やかで船が欠航することは1ヶ月に1度程度。人口は、30,000人、船でしか渡れない島では日本最大の人口数。コンビニはセブンイレブンが5店舗ほどあるそうです。

島での情報収集方法

ネット環境は良く、サクサク使える。情報発信や情報収集については、小豆島の方が進んでいるようで、FacebookやTwitterをやって情報発信している人も多いそう。しかし島内の情報は、どちらも口コミが最も多く、「光回線より口コミの方が早いんじゃないか?と思うくらいすぐに広まる」とのこと。島内のイベント等は防災無線で放送されている。

地方新聞の有無

八丈島:有(週に1度、「南海タイムス」が発行される。1ヶ月800円)
小豆島:無

島情報ポータルサイトの有無

八丈島:無(自治体の「広報はちじょう」、スーパーあさぬまのブログが情報量が多い)
小豆島:無(個人ブログ、facebook,twitterなど)

東京では使われるのに島民には使われないサービス

乗り換え案内

どちらも電車は無い。バスがあるようですが、島民は車を利用しているため不要なのも納得。私も八丈島ではレンタカーを使用した。

「食べログ」などの飲食店情報提供サービス

島内の飲食店数が多くないため、飲食店を調べることはない。八丈島は、飲食店の入れかわりがよくあるそう。実際、島民に「食べログ」を少しみてもらったら、既に閉店している店舗が閉店マークの無いままだった。(島民は閉店情報を既に持っているが、観光客は知らないため不便)また、八丈島では学生をのぞき、お昼休みは自宅に帰り、お昼ご飯を食べることが一般的だそう。そのため、昼ご飯を外で食べることは少ない。夜は、お店が5時ころまでしか営業していない飲食店が多いので、外食するチョイスも少ない(小豆島も同様)。外食する機会自体が少ないため、このようなサービスも使われない。

地図

八丈島の人は、「どこ」に「なに」があるのか知っている。新しいお店ができたときは「××エリアにある○○商店の角を左に曲がるとあるよ」などと言えばみんなが行けるらしい。観光客からすると、道案内の表示も少なく、詳細な地図(Y!地図は50万分の1まで。Gは50万分の1の情報を引き延ばして表示)がないため「この辺だけど、よくわからない」という状況になり、最終的に住民に聞くことで解決した。
反対に小豆島では、web地図を使うこともあるようだ。地図の精度としても建物形状、番地などのある詳細図まであるので便利。

島民がよく使うwebサービスだってある!

島民がよく使うwebサービスは「ネットショッピング」! 島に無いものが買えるため、ネットショッピングをよく使う人が多いよう。コンタクトレンズ、化粧品、ドックフードなどあらゆるものをネットで購入するという。島内で買えるものがより少ない八丈島では、60代のお父さん、お母さんもクレジットカードを使用し、ネットショッピングしている人も少なくないそうだ。

島民は「沖縄および一部離島は追加料金がかかります」に敏感

ネットショッピングをするとき、送料を非常に気にしていることがわかった。注意する順番は下記。

  1. 送料(送料無料となるAmazonが絶大な人気)
  2. 配送会社(ヤマトとゆうパックは島でも追加料金がかからないので好まれている)
  3. 商品のサイズ(ヤマトとゆうパックで送れるサイズには上限があり、それを超すと佐川などになる。大型ソファーや冷蔵庫などは送料が高くて購入を諦めたという声があった)

他に島で困っていることは?

八丈島だけの話になるが、「病院」に困っているよう。町の病院はあるものの、内科、外科、産婦人科、小児科しかない。皮膚科、眼科、耳鼻科は月1回、島外から先生が来て診察するのだが、月に1度しか診てもらえないことが不便で不安要素になっているようだ。

まとめ

島の大きさや人口に差はあるものの、まだまだリアルなコミュニケーションが密に行われている。島民はネットワークがあるので、「非常に困る」ことはないのだが、観光客が地元のネットワークにアクセスすることは難しい。そこの間を埋める役割としてインターネットには大きな可能性がある。
また、島では思った以上に「ネットショッピング」が活用されていた。八丈島で、60代のお父さんお母さんのネットショッピングという声があったが、他の60代と比べネットショッピングの利用率が高いかはきちんと調べる必要があると思うが、面白い切欠になりそうだ。そして、送料に非常に敏感。東京にいると、あまり配送会社を意識しないが、島民からは「ヤマト」「ゆうパック」が非常に愛されている。

(おまけ)「青ヶ島」の特徴、ネット事情

八丈島からさらに南下したところにある「青ヶ島」。面積は、わずか6㎢(東京ミッドタウンの敷地面積は約7㎢なので、東京ミッドタウンより小さい)。人口はたった160人(日本一人口の少ない村だそうです)。中学生以下が20人程度おり、高校が無いため、中学を卒業すると子供たちは八丈島か都内のどこかの高校に行く。もちろん大学も無いため、高校から20代までの若者を全く見かけない。
青ヶ島村以下の住所は無く、郵便物は、「青ヶ島村 名前」で届く。どこに誰が住んでいるかみんな知っている小さなコミュニティ。非常に治安が良く、旅行客にも好意的。すれ違った全ての人が「こんにちは」と挨拶する。また、知らないおじさんは車に乗せてくれるし、食べ物もくれた。(知らないおじさんの車に乗ったのは人生初!)
島までのアクセスは、八丈島からヘリコプターか船のみ。海は非常に荒く、船は1ヶ月に4回ほどしか出航できない。島民は「いつ出るかわからないから、船はあてにならない」と移動手段としては使用していない。手紙はヘリコプターで届けられるが、宅配物は船で運ばれる。船が来ないと「もの」が無い状態になり、お金があっても「もの」が手に入らない状況にもなるという。そのため、島民はみんなで助け合い、「もの」を分け合って生活しているそうだ。
上記から、アナログでの接触が非常に高い島であることがわかる。人と人とのコミュニケーションが活発。島の大切な情報(船の出航状況等)は防災放送を使用。島民は、ヘリコプターの予約は電話で行う(ネットでもできます)。島内に宿が6軒あるが、ウェブサイトは無く、役所のサイトにある電話番号から電話で予約。web地図は島散策に使えるほど情報が無かったため、役場でもらった地図で島を散策をした。しかし、地図では想像できないほどの坂の多さで驚いた。ちなみに、島の電波状況は、Softbankとdocomoどちらも「入るけど弱い」程度。
観光客として、アナログなコミュニティは非常に面白かったので、このままであってほしいとも思う。

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